AI(Artificial Intelligence/人工知能)とは、推論・学習・認識・言語処理といった知的な働きを機械上で実現しようとする研究領域、およびその成果として作られたシステムの総称である。1950年代の学問分野の成立以来、記号処理による論理推論、専門知識をルール化したエキスパートシステム、データから統計的に規則を獲得する機械学習と、中心的な方法論は移り変わってきた。2010年代以降は多層ニューラルネットワークによる深層学習が主流となり、今日「AI」と呼ばれるものの多くは大規模なデータで訓練された深層学習モデルを指す。
この種のシステムは、与えられたデータ・目的関数・評価基準にもとづいて出力を最適化する。人間が「このような出力を得たい」という方向性を上位から与えるため、生成の過程はトップダウン的である。また内部表現や判断過程を人間が十分に解釈することは難しく、しばしばブラックボックスとして扱われる。
表現の領域では、AIは入力に対して出力を返す関数的なシステムとして用いられる一方、確率的なサンプリングを含むため同じ入力から常に同一の結果が得られるわけではない。この不確定性が、知覚の条件や身体性、リアリティの構築を問い直す契機として作品に組み込まれることがある。他方、モデルの出力をファインチューニングで調整する過程には人間の恣意的な価値判断が再び介在するため、何をもって「機械が生成した」と言えるのかは常に問われ続けている。局所的な規則の反復から予期しない秩序が立ち上がるボトムアップ的な人工生命(ALife)とは、この点で方法論が大きく異なる。