ジェネラティブアートとは、作家が完成した像を直接描くのではなく、生成のためのルールやアルゴリズム、システムを設計し、それを一定の自律性をもって走らせることで作品を生み出す表現である。制作の対象は個々のかたちではなく、かたちを生む手続きそのものに移り、乱数や初期値(シード)、外部からの入力によって、同じプログラムから無数の異なる結果が現れる。1960年代のコンピュータによる線描(プロッタドローイング)や、指示書によって作品を成立させる同時代の実践に源流をもち、コンピュータの普及とともに映像・音・立体を含む広い領域へ広がった。Processing のようにアーティストのための開発環境が整備されたこと、Webブラウザ上でコードをそのまま公開・実行できるようになったことが、実践者の裾野を大きく広げている。
作者は結果を完全には制御せず、系のふるまいを観察しながらルールを調整していく。そのため単純な規則から複雑な秩序が現れるEmergenceや自己組織化、セルオートマトン、ALifeといった計算科学の主題と親和性が高い。作品はしばしば静止した完成形をもたず、リアルタイムに実行され続けるプロセスとして提示され、鑑賞は「像を見ること」から「変化の過程に立ち会うこと」へと移る。