《METABIT / SOMEONE'S LIFE》は、現実社会において「誰かの人生」がディスプレイ越しに数字や記号へと還元されていく状況を問い直すインスタレーションである。展示空間の広い壁面には、三つのピクセルハートだけが配置されている。その極端な余白は、不在となった無数の命や語られなかった物語を想像するための空間であり、「このハートは誰の人生なのか」「その物語はどこへ向かうのか」、そして、その物語が鑑賞者自身のものである可能性を投げかける。ビデオゲームにおいて、ハートは生命や愛情を表す記号として親しまれてきた。EXCALIBURによる本作は、その共通する視覚言語を引用し、ハートが未来へ向かって「失われていく命」を数えているのか、それとも「満たされていく愛」を示しているのかを明確に定義していない。喪失と獲得という相反する意味を、一つのシンボルの中に重ね合わせている。また、遠くから見ると三つのハートは同じ形に見えるが、近づくとそれぞれ異なるイメージや痕跡によって構成され、一つとして同じものは存在しないことが分かるだろう。それは、一人ひとりの人生が固有の経験や記憶によって形づくられていることを象徴している。

本作は、ビデオゲームやインターネットの普遍的な記号を用いながら、匿名化された誰かの命を、再びかけがえのない主人公として見つめ直す場を創出する。そして、鑑賞者はすべての命を祈るひとりのプレイヤーとして導かれる。