ソースコードとは、コンピュータプログラムやデジタル作品を構成する、人間が読むための記述である。提示された資料では、作品を動かす実行ファイルそのものではなく、その元になる記述として扱われている。たとえば『Wolfenstein 3D』の公開では、id Softwareはソースコードを配布した一方で、実行に必要なゲームデータは配布せず、利用者が別途入手するよう求めていた。ここではソースは公開されるが、作品を成立させるためのデータは別にあることが明示されている。

また『Prince of Persia』の事例では、ソースコードは単独ではなく、移植のための技術文書や関連資料とともに公開された。そこでは、ソースコード本体に加えて、移植チーム向けの説明書、音や定数の索引、コメントだけで構成されたファイルなどが残されており、ソースコードが単なる実行手段ではなく、後から再構成・再移植するための知識の集合として機能していることがわかる。保存や再実装の文脈では、ソースコードは「作品を次に立てる人」への手がかりであり、どの部分が交換可能で、何が別途必要かを示す記録でもある。