コンセプチュアル・アートとは、1960年代後半に成立した芸術の潮流で、作品の物理的な物質性や視覚的な美しさよりも、それが提示する観念そのものを作品の本体とみなす立場である。「アイデアが芸術をつくる機械になる」というソル・ルウィットの定式(1967年)や、実物の椅子・その写真・辞書の定義を並置したジョセフ・コスースの《一つと三つの椅子》(1965年)に代表されるように、作品とは物体であるという前提を解体し、芸術の定義そのものと、市場における価値の根拠を問い直した。

物質的な実体を持たない作品が成立しうるというこの態度は、デジタルアートやブロックチェーン上のトークンによる作品の理論的な先駆となっている。ケヴィン・アボッシュは自らを一貫してコンセプチュアル・アーティストと位置づけ、肖像写真から暗号資産トークン、そして機械学習が生み出す合成イメージへと領域を広げてきた。何がどのようにして価値を持つのかを制度の外側から問い直す点で、NFT やジェネラティブアートの価値論はこの系譜の上にある。