カムコーダーとは、撮像部(カメラ)と記録部(レコーダー)を一体化した携帯型の映像撮影機器である。1980年代に家庭用機として普及し、それまで放送局や映画製作の設備を必要とした動画撮影を個人の手に移した。8ミリビデオ、Hi8、DV といった小型テープ規格の交代とともに小型軽量化と画質向上が進み、2000年代以降は記録媒体がメモリカードへ移り、やがてその機能はスマートフォンに吸収されていった。
カムコーダーは映像の「真実らしさ」という観念と強く結びついている。事件や日常を、居合わせた者がその場で記録できるという条件が、報道映像やホームビデオに独特の証拠性を与えたためである。同時に、それぞれの規格は固有の質感を残した。Hi8 のやわらかく粒子の粗い低解像度の画は、記録が市井の人々の手にゆだねられた時代の手ざわりとして参照される。高精細な映像があらゆるものを美しく見せ、最も説得力のある映像がしばしば最も合成的でもある現在の状況に対して、こうした粗い表面は逆の働きをする。それが作られたものであることを、見る者に示すのである。