動画記録とは、動く像を時間の経過に沿って媒体に定着させ、後から再生できるようにする行為とその形式を指す。フィルムが一コマずつの写真の連続として時間を刻んだのに対し、電子的な記録は磁気テープに信号として像を書き込む方式で始まり、放送局用の大型機から家庭用のビデオテープ、Hi8 のような小型フォーマットへと普及していった。デジタル化以降は、圧縮されたファイルとして記録されるのが一般的になり、記録の質は解像度、フレームレート、色深度、圧縮方式といった数値の組み合わせによって規定される。撮影の現場では、小型で堅牢な行動記録用カメラから、1秒に数百枚を記録する高速度撮影システムまで、目的に応じた機材が選ばれる。
記録が数値化されたことで、動画は再生されるだけの完成物ではなく、後工程で加工される素材にもなった。カラーグレーディングによる色の調整、幾何補正や座標変換によるレンズ歪みや視点の操作、フレーム群を積み重ねて時空間の立体として扱う処理などは、いずれも記録されたフレームの列に対する計算である。とくに毎秒数百フレームで撮影された素材は、各フレームが独立した高解像度の静止画として蓄積されるため、時間の連続体を通常の再生とは別の断面から読み出す余地が大きい。
映像作品においては、何をどの規格で記録するかという選択が、そのまま作品の可能性を決める。走行する乗り物の車窓のように一定方向に流れ続ける被写体を高いフレームレートで記録すれば、後の再構成によって時間構造や空間の秩序を組み替える操作が可能になる。この意味で動画記録は保存の手段にとどまらず、作品が成立する条件そのものである。