imgtrans は、古澤龍が開発した映像処理のための Python ライブラリである。連続するビデオフレームを奥行き方向に積層して X・Y・T の三軸をもつ「ビデオ・ボリューム」を構成し、その内部を任意の角度で切断(スライス)することで、通常の再生では現れない断面を取り出す。時間軸に垂直な断面はもとのフレームそのものだが、斜めに切れば空間と時間が混ざり合った歪んだ像が得られる。

これはスリットスキャン撮影の原理を計算機的に一般化した操作であり、映像を時系列の連なりではなく、色情報を蓄えた可塑的な塊として扱う点に特徴がある。古澤の《Mid Tide #3》(2024年)などの映像インスタレーションでは、この手法によって波や車窓風景の運動が時間の厚みをもつ形態として抽出され、消失点をもつ遠近法的な像から平行投影に近い秩序への変容がシミュレートされる。ソースコードは GitHub で公開されている。