ブロックチェーンにおけるトランザクションは、台帳の状態を変える一回分の操作である。暗号資産の送金、トークンの移転、スマートコントラクトの関数の実行などが、送り手の秘密鍵で署名されてネットワークに送られ、ブロックに取り込まれた時点で記録として確定する。実行には手数料(ガス代)がかかる。

確定したトランザクションは、書き換えることも取り消すこともできない。誤って送った資産を戻したり、実行した処理を打ち消したりするには、逆向きの操作を新しいトランザクションとして実行するしかなく、元の記録は台帳に残り続ける。この不可逆性が、改ざんされにくい台帳としての信頼の根拠になっている。

事例

コードとして実行される作品では、トランザクションは作品の状態を変える出来事そのものになる。2026年10月にNEORT++で開かれた「自己破壊芸術展」は、ブロックチェーン上の作品が「トランザクションとして記録され、状態を変化させながら存続する」こと、一度実行した操作を元に戻せないことを、グスタフ・メッツガーの自己破壊芸術を計算環境で捉え直す条件とした。同展には、0xfff の「transaction sculpture」シリーズの作品《Diminishing Returns》が出品された。