VIDEOPLACE(ヴィデオプレイス)は、マイロン・クルーガーが1974年から1990年代後半にかけて開発を続けたインタラクティブ作品であり、彼が提唱した「人工現実(Artificial Reality)」の概念を実装した最初期の到達点である。鑑賞者の身体像をカメラで取得してシルエットとして抽出し、コンピュータ・グラフィックスとリアルタイムに結合することで、参加者はヘッドセットもグローブも装着せずに、全身の動きだけで仮想空間内の物体や、別室にいる他の参加者のシルエットに作用できる。《GLOWFLOW》《METAPLAY》《PSYCHIC SPACE》からの連続的な探究の成果であり、身体そのものをセンサーとし、行為に対する計算機の応答という閉じたループを美的対象に据えた点に特徴がある。

メディアアートにおけるインタラクティビティの系譜では、VIDEOPLACE は「作品を見る」ことから「相互作用そのものを作品にする」ことへの転換点として位置づけられる。ジェフリー・ショー《The Legible City》やレベッカ・アレン《The Bush Soul》へと続く流れは、画面を眺める観客を、計算される環境を身体で操作するユーザーへと変換していく過程であり、その起点にあたる。ゲーム固有の記号や商用プラットフォームではなく、身体・インターフェース・リアルタイム計算の三者の関係が作品の核心を成しており、装着デバイスを要求しないその設計思想は、身体だけで参加できるインスタレーションの原型となった。