マインドアップロードとは、人間の精神や意識をデジタル媒体へ転移・複製し、肉体を離れても存続させようとする仮想的な技術概念である。脳内の情報、すなわち記憶・人格・知能などをコンピュータ上に写し取ることで、身体の死を超えた「デジタルな不死」を実現できるという発想として語られてきた。思想史的には、心身二元論や輪廻思想、デカルト以降の機械論的身体観、情報理論、サイバネティクス、トランスヒューマニズムなどの流れの中で発展してきた。

この概念はSF作品でも広く扱われ、電脳化、ブレインコピー、データ人格、仮想空間への接続などのモチーフとして繰り返し描かれてきた。『ニューロマンサー』、『オルタード・カーボン』、『攻殻機動隊』などは、その代表例として挙げられる。ただし、マインドアップロードは現時点では仮説の域を出ていない。脳の完全計測や全脳シミュレーションは極めて困難であり、仮に情報を複製できても、それが主観的意識や自我を伴う保証はない。そのため、実現可能性や人格の連続性をめぐって強い批判と懐疑が存在する。